うちの子は背が低い?
まず標準に比べてどうかということをチェックしなければなりません。
下の表の身長とお子さんの身長を照らし合わせて表の値より低いかどうかを確認してください。
年齢 | 男 子 | 女 子 | ||
---|---|---|---|---|
身長 | 年間 伸び率 |
身長 | 年間 伸び率 |
|
3歳 (0ヶ月) |
86.4 | 6.4 | 85.5 | 6.3 |
3歳 (6ヶ月) |
89.5 | 6.0 | 88.8 | 6.0 |
4歳 (0ヶ月) |
92.5 | 5.8 | 91.9 | 5.8 |
4歳 (6ヶ月) |
95.3 | 5.4 | 94.8 | 5.6 |
5歳 (0ヶ月) |
98.1 | 5.1 | 97.7 | 5.4 |
5歳 (6ヶ月) |
100.9 | 4.9 | 100.6 | 5.2 |
6歳 (0ヶ月) |
103.8 | 4.6 | 103.4 | 5.1 |
6歳 (6ヶ月) |
106.8 | 4.5 | 106.1 | 4.9 |
7歳 (0ヶ月) |
109.5 | 4.6 | 108.8 | 4.6 |
7歳 (6ヶ月) |
111.2 | 4.5 | 111.4 | 4.4 |
8歳 (0ヶ月) |
114.7 | 4.4 | 113.9 | 4.3 |
8歳 (6ヶ月) |
117.2 | 4.3 | 116.4 | 4.1 |
年齢 | 男 子 | 女 子 | ||
---|---|---|---|---|
身長 | 年間 伸び率 |
身長 | 年間 伸び率 |
|
9歳 (0ヶ月) |
119.7 | 4.1 | 118.8 | 4.2 |
9歳 (6ヶ月) |
122.1 | 4.0 | 121.2 | 4.4 |
10歳 (0ヶ月) |
124.5 | 3.9 | 123.9 | 5.2 |
10歳 (6ヶ月) |
126.8 | 4.0 | 126.7 | 6.0 |
11歳 (0ヶ月) |
128.9 | 4.1 | 130.2 | 6.7 |
11歳 (6ヶ月) |
131.0 | 4.5 | 133.8 | 6.1 |
12歳 (0ヶ月) |
133.9 | 5.5 | 137.0 | 4.5 |
12歳 (6ヶ月) |
136.8 | 6.9 | 140.2 | 2.9 |
13歳 (0ヶ月) |
140.7 | 7.7 | 142.3 | 1.7 |
14歳 (6ヶ月) |
148.6 | 5.0 | 145.3 | 0.6 |
15歳 (0ヶ月) |
154.7 | 2.3 | 146.5 | 0.2 |
- <年間伸び率の見方>
- 年間伸び率= (現在の身長-前回測定時の身長)÷前回測定時から現在までの期間(ヶ月)×12
を計算し、前回測定時と現在の真ん中の時の年齢に近い年齢の値と比べます。
表の値より背が低ければ低身長と考えられ、治療が必要な場合もありますので一度小児科医に相談されることをお勧めします。
また身長の伸び率を確認することも大切です。この表の身長より高い場合でも、急に身長が伸びなくなったというような場合や表の値よりも伸び率が低い場合、早晩低身長となる可能性がありますし、また、脳腫瘍など重大な疾患が隠れている場合がありますので、すぐに診察を受けてください。
このようなことは、お子さんの成長を記録しグラフ (成長曲線)にしてみるとさらによく分かります。下のボタンを押すと成長曲線を描けるサイトに移動しますので、そこでお子さんの身長を入力しグラフを描いてみてください。
そのグラフを見て-2 SDの線よりも下だったり、最近身長が伸びなくなっているようだったりしたら医師に相談したほうがいいということになります。
※標準の範囲内であっても気になることがあればなんでもご相談ください
低身長の原因は?
低身長である場合、その原因を調べるために検査を行います。
検査は血液中のホルモンの量を測る検査、手の骨のレントゲン写真、 MRI(脳の画像診断)などです。
検査の結果から背が低い原因が分かる場合、
① 成長ホルモンの分泌が悪い(成長ホルモン分泌不全性低身長症)
② 染色体に異常がある (例:ターナー症候群、プラダ・ウイリー症候群)
③ 骨の病気 (軟骨無形成症、軟骨低形成症)
④ 腎臓の病気 (慢性腎不全性低身長症)
⑤ 甲状腺ホルモンの分泌異常 (甲状腺機能低下症)
⑥ 性ホルモンの分泌異常 (思春期早発症、思春期遅発症)
⑦ 脳腫瘍
などがあります。
検査の結果から特に原因が見当たらない場合、
考えられる原因として、
⑧ 遺伝 (家族性低身長)
⑨ 子宮内での発育が悪く、出生後も発育が遅い場合(子宮内発育不全性低身長症)
⑩ 精神的なストレス (愛情遮断症候群)
などがあります。
低身長は治療できるの?
検査の結果成長ホルモンがあまり出ていないような時(①の場合)には、成長ホルモンを補うことで低身長を改善するという治療方法があります。成長ホルモンは週に6日間寝る前に家で注射し、15歳~17歳頃まで継続します。
ただ、高校生ごろになって骨が成熟してしまうと成長ホルモンによる治療はできなくなりますので、手遅れにならないよう低身長が気になったら早めに診察を受けることが大切です。
また、②、③、④の場合も成長ホルモン治療が認められています。
成長ホルモン治療にかかる費用は?
成長ホルモン治療はかなりの高額医療ですが、一定の基準を満たせば公費補助を受けることが出来ます(自己負担額は最高で 1ヶ月あたり5750円)。
公的補助を受けられない場合は保険による治療が出来ますが、経済的負担はさけられません。 。
治療が出来ない場合はどうすればいい?
治療の対象にならない場合、食事や生活面に気をつけて背を伸ばす環境を整えてあげることが大切です。背を伸ばすために大切なことは次のようなことです。
- 栄養バランスの良い食事をとる
- 良質なたんぱく質(脂肪分の少ない肉など)をとる
- 質の良い睡眠をとる (早く寝る。十分な睡眠時間)
- 夜良く眠れるように昼間外遊びをして体を動かす
- 夜食を控える※
※成長ホルモンは寝入ってから 1~2時間のあいだにたくさん出ますので、そのときにぐっすりと眠れるように。また、成長ホルモンは少しおなかがすいた状態のほうが良く出ますので、寝る前にたくさん食べるのは良くありません。
たかが身長のことで病院に行くなんて...
遠慮する必要はありません。
子供の成長のことで気になることがあれば気軽にご相談ください。
(相談に来られる際には成長曲線を描きプリントアウトして持ってきて頂きますと、とても助かります。)
もちろん成長以外のことでも何でもご相談ください。